消費税増税2年半延期に伴う税制改正への影響

消費税増税を延期する法律が11月18日の参院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立しました。消費税率10%への引き上げは、平成29年4月1日から平成31年10月1日に先送りされることが正式に決まりました。

これに伴い、関連する税制上の措置が、消費税増税の延期と同じく2年半スライドして延期されます。以下に主なものを記載します。

1.住宅ローン減税の延長

住宅ローン減税の適用は平成31年6月30日までに住宅を取得した人が対象でしたが、それが2年半延長されて平成33年12月31日までとなります。

2.住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の延長・拡充

この措置は平成31年6月30日までに、家を建てたり、購入や増改築する際に父母や祖父母からその建築資金や購入資金などの贈与を受けた場合、一定の金額まで贈与税が非課税となるものですが、この期限が2年半延長されて平成33年12月31日までとなります。

○特別住宅資金非課税限度額(消費税率が10%の場合)

○住宅資金非課税限度額(消費税率が10%以外の場合)

3.軽減税率制度とインボイス方式の導入の延期

食料品と新聞の一部に消費税の軽減税率制度が導入される予定ですが、導入時期が平成29年4月1日から平成31年10月1日に2年半延期されます。これに伴い、適格請求書等保存方式(インボイス方式)の本格導入の時期が平成33年4月1日から平成35年10月1日に2年半延期されます。インボイス方式とは、消費税の納税額を計算する際に、預かった消費税額から控除をする消費税(仕入税額控除)について、登録された「適格請求書発行事業者」が発行した「適格請求書」(インボイス)に記載された消費税額に基づき計算をする方式のことをいいます。現行の「請求書等保存方式」は、帳簿の保存に加え、取引の相手方が発行した請求書等の保存を仕入税額控除の要件としているものの、請求書等に適用税率・税額を記載することは義務付けられていませんでしたが、これが義務付けられることになります。

4.地方法人課税の偏在是正措置の延期

地方法人税の税率の引上げ及び法人住民税法人税割の税率の引下げの実施時期が、平成29年4月1日以後開始事業年度から平成31年10月1日以後開始事業年度へと2年半延期されます。また、地方法人特別税の廃止と法人事業税の復元も同様に2年半延期されます。

この他にも消費税増税延期に伴う税制改正への影響項目がありますので、詳細について知りたい方は、担当までお気軽にお問い合わせ下さい。

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