太陽光発電を行う中小企業は、事業税の申告に注意

 

1. 法人事業税の計算方法

法人事業税の計算には、法人の所得(収入-経費)に課税するもの(所得課税)、法人の収入に課税するもの(収入課税)、資本金と付加価値と所得を基準に課税するもの(外形標準課税)があります。


2. 電気供給業を行う法人の法人事業税

太陽光発電事業は、電気供給業です。電気供給業を行う法人の法人事業税の課税標準は収入金額に対して課税される「収入課税」です。


3. 収入金額の計算

電気供給業における収入金額は以下の算式により計算された金額です。

『収入すべき金額-控除すべき金額=収入金額』

 ① 収入すべき金額→各事業年度において収入することが確定した金額で、その事業年度の収入として経理されるべきその事業年度に対応する収入(消費税は含まない)

 ② 控除すべき金額→国又は地方団体から受けるべき補助金、固定資産の売却による収入金額、保険金、有価証券の売却収入、不用品の売却収入金額、受取利息及び受取配当金、損害賠償金、投資信託に係る収益分配金、株式手数料、社宅貸付料等、その他電気供給業に関わりのないもの等


4. 収入課税の法人事業税の計算

平成26年10月1日以後に開始する事業年度における税額計算は下記の算式となります。

『法人事業税(収入割額)=収入金額 × 0.9%』

『地方法人特別税 =法人事業税収入割 × 43.2%』


5. 太陽光発電事業以外の事業(本業)の所得計算

太陽光発電事業以外の事業(本業)は所得課税となりますが、売電収入に係る経費(減価償却等)を除いて本業の所得を計算しなければなりません。特に節税対策で太陽光発電設備について特別償却を行っている場合等は、法人全体の所得が赤字であっても、その額を費用から除いたことにより本業が黒字となって法人事業税が発生する可能性があります。


6. 総務省通達

原則は、1円でも売電収入があれば、区分して申告しなければなりませんが、申告手続きが繁雑になってしまいます。そのため総務省通達により、売電収入が本業の収入の1割以下の軽微なものであれば、本業の収入に含めて所得課税による計算を行うことができることになっています。

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