日本は世界に先駆けて「人口減少・超高齢化社会」を迎えており、人口減少を契機に地域の活力が低下し、将来的に我が国経済全体の衰退につながっていくことが懸念されています。そのため、地域経済の活性化が急務となっており、今回創設された地域創生応援税制(企業版ふるさと納税)は民間企業の力で地域創生の実現を図る取組みの一環として創設されたものです。
1.制度の概要
青色申告法人が、地域再生法の改正法の施行日(平成28年4月20日)から平成32年3月31日までの間に、国の認定を受けた地方公共団体の地域創生事業に対して寄付を行った際に、既存の損金算入措置に加えて、新たに寄付額の3割相当分が税額控除される税制上の優遇措置です。
【図1】寄付金による税額減少のイメージ
2.税額軽減措置の内容(具体的な税目ごとの措置)【図2参照】
① 法人事業税→寄付額の10%が税額控除される
(法人事業税額の20%が上限。*地方法人特別税廃止後は15%上限)
② 法人住民税→寄付額の20%が税額控除される
(法人住民税法人割額の20%が上限)
③ 法人税→次のうちのいずれか少ない金額が税額控除される
(法人税額の5%が上限)
イ.寄付金の額の合計額の20%から、法人住民税の額から控除される金額を控除した金額
ロ.寄付金の額の合計額の10%
3.留意点
① 本社が所在する地方公共団体への寄付は対象外(本社所在地には法人住民税の納付という形で既に貢献しているため対象とならない)
② 一度の寄付ごとに10万円以上であることが求められる
➂ 寄付の代償としての経済的利益の禁止(具体的には、法人への補助金の交付、入札や許認可において便宜を図る、有利な利率で融資をする等)
➃ 寄付の払い込みは事業費の確定後(本税制の対象となる寄付は、確定した事業費の範囲まで)
4.申告要件
本税制の適用を受けようとする法人は確定申告書等に税額控除の対象となる寄付金の額、控除を受ける金額及び控除額の計算に関する明細を記載した書類を添付しなければなりません。また、法人税の申告については寄付があったことを証する書類の「保存」が、地方税の申告に際しては「添付」が必要となります。
5.宮城県における地域創生応援税制に係る認定事業
・石巻市 :「雇用創出拡大プロジェクト」・「交流人口拡大プロジェクト」
・多賀城市:「歴史文化資源を活用したシティブランド・ブラッシュアップ・プロジェクト」
・岩沼市 :「みんなで盛り上げる東日本大震災の復興シンボル「千年希望の丘」プロジェクト」
・東松島市:「“絆交流”から育む観光地域づくりプロジェクト」
・南三陸町:「『森里海ひと』の地域ブランド化推進計画」
【図2】法人事業税・法人住民税・法人税の税額控除
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